
せっかく塾に入れたのに子どもの成績が上がりません。塾を辞めようと思っているのですが……。
塾を辞める理由の多くが成績が上がらないことです。せっかく高い学費を払っているのに、学力が伸びていなかったら当然ですよね。今回は成績が上がらない原因とその解決方法を紹介します。
ですが、転塾をしても状況が変わらない場合もあります。別の塾でも同じことの繰り返しにならないように、まずは成績が上がらなかった原因を突き止めましょう。
成績が上がらない理由
塾に入ったのに成績が上がらない理由はいくつか考えられます。
どれかに当てはまっていないかを考えてみてください。
授業の内容が理解できていない
これは集団授業の塾でよくある問題です。大手の塾であればクラス分けをしていると思いますが、クラスレベルに学力が合っていない可能性があります。理解のできない授業を延々と受けていても時間の無駄です。
授業についていけない場合は、まずは担当の先生に相談してみてください。補習やクラス替え等、ベストな選択を提案してくれると思います。それでも解決できないようなら、転塾や個別指導も検討してください。
授業に集中できていない
学力レベルは合っているのに授業をちゃんと聞けていない場合もあります。
たとえば、仲の良い友だちとしゃべってしまって集中して授業を受けられていない場合などです。他にも、教室が騒がしかったり、いじめがあったりなど、集中を妨げる原因が何かあるかもしれません。
担当の先生が注意したり、席替えやクラス替えなどで改善するかもしれません。集中できない原因がはっきりしているなら、まずはそれを解決しましょう。問題が解決できない場合は転塾を検討した方がいいかもしれません。

これは学校でも起こり得る問題です。一番長く勉強する場所は学校です。学校の授業に集中して取り組んでいる生徒と、そうでない生徒の学力はどんどん開いていきます。私も、まずは学校の授業をちゃんと集中して受けるよう指導しています。
授業は理解しているけど定着していない
塾に行って授業を受けているだけでは、実はあまり成績が上がりません。ちゃんと宿題をやっているでしょうか。ただ提出のためだけにやっつけで片付けていませんか?
宿題を提出した生徒に、宿題とまったく同じ問題をやらせてみるとできない何てことは珍しくありません。
塾に行っただけで勉強をした気になってしまう子どもたちは意外に多いものです。
テスト勉強で一番大事なのは復習をして記憶に定着させることです。
「できるようになった」「覚えた」というレベルまでやって初めて「宿題をやった」と言えます。
「やればできる子なんですけどねえ」こんなセリフをよく聞きますよね。親も、学校の先生も、塾の講師も、みんな口をそろえていうセリフです。
やればできても「やらなかったらできないまま」です。まずは習ったことをできるようにする努力をしてください。宿題や復習をする習慣をつけましょう。
学校に行こうが塾に行こうが勉強するのは他の誰でもない本人だけです。

最近では、授業をしない塾やコーチングを売りにした塾もどんどん増えてきています。私も日本の塾で働いている時にコーチングの資格を取りました。どうしたら生徒が自発的に勉強に取り組むようになるか。講師の腕の見せ所ですね。
自分に合った勉強方法を見つけよう
原因がわかったら、今度は自分に合った勉強方法を見つけましょう。
勉強は質×量です。
思うように成績の上がらない人は「時間の使い方」と「勉強方法」を見直してみましょう。
時間の使い方を見直そう
「塾で5時間自習しました!」と言っても、ただ単に塾に5時間滞在していただけということはありませんか。
- 友だちと談笑しながらごはんを食べていたら1時間以上休憩していた。
- ちょっと休憩するつもりが友だちと一緒にアプリゲームをしていたら30分以上経っていた。
- 解けない問題に悩んでいたら1時間経っても1問も進まなかった。
そんなことはありませんか。
「今日は3時間勉強したから満足!」ではなく「何ができるようになったか」で勉強したかどうかを判断してください。
また、勉強習慣が身についていない人は、毎日寝る前に30分宿題や復習する時間を作ったり、休日は午前中を勉強時間にしたり、時間割のようにルールを決めましょう。
やる気になるのを待っていては、いつまでたっても勉強に手を付けることができません。
勉強方法を見直そう
イヤホンで音楽を聴きながら勉強して、ちゃんと内容を覚えていますか。むしろメロディーや歌詞を覚えてしまっていませんか。
そんな状態で英単語を10回書いても漢字を10回書いても覚えられません。
「書いても覚えられない」と言う人は「本当にただ書いているだけ」なのです。心は無の状態で手だけが動いているのです。
逆に「すごいな」と感心してしまいそうになります(^^;;
本来は、書きながら頭の中で音読をしたり意味を考えたりしながら練習しているはずです。
英単語であれば、アルファベットだけでは覚えられません。音とセットで覚えます。
歴史であれば、ただ用語や年号だけを覚えるのは大変ですが、写真を見て視覚的に覚えたり、歴史の流れやストーリーであれば覚えることができます。
ただ一言で「暗記」といってもいろいろなやり方があります。地図や元素記号などを、机の前やトイレの壁などに貼ってある人も多いですよね。
また、ちゃんと「覚えられたか」「できるようになったか」の確認は一人小テストをしてください。間違えた問題にはチェックをつけて、もう一度復習しましょう。
解説を読んでもどうしてもわからない問題にもチェックをつけておいて、忘れないうちに質問に行きましょう。わからないところをためないようにしてください。
そこまでやり切れば結構な時間が経っているはずです。
そうすると、どれくらい勉強すればどれくらいのことができるようになるかが自分でわかってきます。
ワークを1日10ページやると言っても、ただページを埋めるだけなのと、全問できるようになるまでやるのとではかかる時間が全く違います。
テスト前になると学校でもスケジュール表をもらって勉強計画を立てると思いますが、ただページを埋めるだけの勉強計画ではなく、理解と定着のための勉強計画を立ててください。
勉強する教科のバランスも考えましょう。好きな科目ばかり勉強して苦手な科目はつい後回しになりがちです。
1科目1時間以上やらないと気がすまない人もいれば、15分〜20分くらいの時間で、たくさんの科目を回しながら勉強した方が効率的にできる人もいます。
勉強するときはスマホは引き出しの中にしまっておくのをおすすめします。見えるところにスマホがおいてあるとついつい触ってしまいます。
また、自習室の方が集中できる人もいれば、家の方が捗るという人もいます。
いろいろ試してみて、どこで、どんな勉強をするのが最も自分に適しているのかを見つけましょう。
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