「高校入試のために英検を受けた方が良いでしょうか」という質問をよく受けます。今回は英検が高校受験の時にどのように使われるのかをまとめました。
内申点に加点される高校も
千葉県の公立高校では、英検で調査書の得点が加算される高校があります。たとえば、下記の高校では、評価方法にこのように記載されています。
市立稲毛高校:「英語検定等の各種検定について、一定の基準を満たすものについては加点する。」
船橋東高校:「英検準2級以上または漢検2級以上の資格取得」で加点する。
埼玉県の越谷北高校でも「英検準2級以上・数検準2級以上・漢検準2級以上」で調査書に得点加算があると記載されています。
英検で内申点の加算があるかどうかは県や高校によって異なります。受験したい高校の候補がある場合は早めに調べておきましょう。
私立高校では出願の条件に
私立高校の方が公立高校よりも入試に英検を使っているところが多いです。
英語に力を入れている学校やコースでは、英語の資格やスコアを出願の条件にしているところもあります。海外在住生・帰国生にも人気のある私立高校をいくつか見てみましょう。
ICU(国際基督教大学高校)の帰国生徒推薦入試の場合、国内生、日本人学校の生徒が受験する「推薦入試条件a」は「内申点40以上」かつ「英検2級以上、TOEFL:iBT52点以上、TOEIC550点以上、IELTS 4.0 以上のいずれかを取得」が条件となっています。
同志社国際高校では、帰国生徒は英検準1級以上(または、TOEFL:iBT79点以上、TOEIC780点以上など)を持っていると特別推薦入試が受験できます。(もしくは、内申点40以上でも特別推薦入試を受験することができます。)
広尾学園高校のインターナショナルコースは出願資格に「英検2級以上、または、同等の英語力を有する者」と記載されています。
英語が好きな人や高校でも英語を学びたいと思っている人は、楽しんで英語の勉強に取り組めるので、英検も苦もなく合格できると思います。
学力検査の得点保証がある高校
英検を持っていることで得点保証や得点加算がされる私立高校もあります。
兵庫県の雲雀丘学園高校では、英検2級以上で英語の得点を80点(英検準2級の場合は70点)とみなし、当日の得点と比較し高い方の得点を採用します。
愛知県の中京大学附属中京高校でも、準1級で100点、2級で90点、準2級で75点として換算され、当日試験の得点と比べて高い方を英語の入試得点とします。
高校受験では、緊張もするでしょうし当日のコンディションもあります。また、どんな人にもミスはあります。一発勝負の高校受験で得点が保証されているというのは、受験生にとって心理的にも安心感があります。
もし志望する高校が当日試験の得点として換算してくれるなら、英検を取得しておくのが得策です。
大阪の受験生は必須
英検を高校入試に利用することで有名なのはやはり大阪です。
大阪府立の高校では、英検などの英語資格の取得級やスコアに応じて、学力検査の英語の得点が保障されます。
英検2級を持っていると入試英語の得点が80%(90点満点中72点)、準1級を持っていると100%(90点満点)がもらえます。
当日点と比べて得点の高い方が学力検査の成績になります。
他県の人にはあまりピンとこないかもしれません。「高校入試の英語で80%とるなんて余裕でしょ」と思う人とも多いと思います。
大阪府の高校入試はA(基礎的問題)、B(標準的問題)、C(発展的問題)の3種類あり、各高校がどの問題を出題するかを選択します。
実はこのC問題、他県の受験生がびっくりするくらい難しいのです。
C問題はリスニング25分、筆記30分で実施されるのですが、4つほどある長文問題と長い英作文問題を見て「え、30分でこれを解くの?」と他県の受験生は驚きます。
また、英検2級を取得している生徒が、試しにC問題のリスニングをやってみると全然解けないということもあります。
英検準2級まで合格した生徒なら2級合格はそれほど遠い道のりではありません。C問題を選択する高校を受験する予定があるなら最低限英検2級は取得しておいた方が良いでしょう。
実際に大阪府の受験生は年々英検2級を受験する生徒が増えています。近年の英語学習の早期化を見るに、トップ校を目指す受験生の中には準1級まで取得してくる生徒もどんどん増えていくと考えられます。
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