勉強のやる気を高めるには

学習塾

勉強のやる気を高めるにはどうしたら良いか悩んでいる人に向けての記事です。保護者、生徒本人、また指導する立場にある人にも参考にしてもらいたいと思います。

子どもが勉強にやる気がなくて困っています。どうしたらいいでしょうか。

この仕事をしていると、よくこういう相談をされます。

性格は人ぞれぞれなので、こうしたら正解という一つの答えはありません。子どもたちによってどこにやる気スイッチがあるかは違います。だから、塾の先生たちはあの手この手で子どもたちをやる気にさせるために働きかけていきます。今回の記事では、どんなふうに子どもたちがやる気を高めているかをいくつか紹介します。

目標をもつ

一番わかりやすいのが目標をもつことです。

多くの先生たちが「まずは目標を設定しよう」と生徒に言います。

たとえば、定期考査の得点だったり模試の偏差値だったり行きたい学校を見つけることだったりします。

それまで漠然と勉強していたものが、目標を達成するためには何が必要か、どの科目をどれくらい勉強したらいいのか、やるべきことがハッキリしてきます。

私が日本の進学塾で働いていた時に、公立中高一貫校を目指す小学6年生を担当していたことがあります。公立中高一貫校は人気がありますが、当時その中学校の倍率は10倍をこえていました。

彼は自分の机の前に志望校の写真を貼っていて、毎日行きたい学校の写真を見ることで勉強のやる気を高めていました。こうして彼は日々勉強を続け、見事志望校に合格しました。

生徒たちに「夢」や「将来やりたいこと」を聞く先生がいますが、その後で「じゃあそのためにはこういう大学に行って、今はこういう勉強が必要だね」みたいなアドバイスをします。

これも目標をもってがんばろう、ということですね。

成果報酬

テストで100点取ったらゲームを買ってもらえるとかお小遣いがもらえるとか成功報酬によって勉強に取り組ませる手法です。

これは、勉強への好奇心やおもしろさとは関係のない報酬が動機付けになっているのでダメだと言われることが多いやり方です。

逆に良い点数を取れなかったらお説教をしたり、ゲーム禁止やスマホ禁止など罰を与える保護者も少なからずいます。

飴と鞭というやつです。

子どものうちから会社員みたいで大変だなあとちょっと同情してしまいます^^;

とはいえ、毎週の小テストをこのやり方でしっかり勉強してきて、着実に学力を伸ばしている生徒がいたりするので効果がないというわけではありません。勉強をしていくうちに、勉強それ自体のおもしろさに気づいたり、できる自分が当たり前の状態になったりすることもあります。

勉強が苦手な子どもがこれをやられた場合、勉強したつもりなのに良い点数が取れず、お小遣いももらえないし自信もやる気も無くしてしまう……そんなことにもなりかねません。

諸刃の剣であることは間違いないでしょう。

集中できる環境

勉強をするのに大切なのは集中できる環境です。

大人でもスマホが視界にあるだけで集中力が落ちると言われています。誘惑の多い自室で子どもが勉強に集中し続けるのは、やはり難しいと思います。

家で集中できない時は自習室や図書館に行って勉強する子どもたちも多いです。カフェで勉強している高校生や大学生もよく目にしますよね。自習室でもカフェでも誰か他の人がいた方が集中できるタイプの人も多いと思います。

ただし、友だちとおしゃべりしたりスマホをいじったりしないように注意が必要です。

子どもの場合は居間で勉強するのもおすすめです。子どもたちも自分の勉強している姿を親に見せるのは楽しいものです。

そういえば、脳科学者の茂木健一郎先生がこんなことを言っていました。

確かにテストの時も、鉛筆がカリカリいう音や机のガタガタする音など、周囲に人がいていろんな音があります。無音でしか集中できないというのは弱いのかもしれないですね。

習慣化する

私はよく「5分でも良いからやろう」「5分で良いから机の前に座ってみよう」と言います。

勉強習慣のない子どもたちは、そもそも勉強に取りかかることができません。家庭学習の時間が0分という日も珍しくありません。

5分のつもりで取りかかってみたら思いのほか気分が乗ってきて、気づけば長時間勉強していた、なんていうこともあります。誰しも経験したことがあるのでは無いでしょうか。

始めるだけでやる気や集中力が出てくることを「作業興奮」なんて呼ぶこともあるようですね。あれこれ考える前にまずテキストを開いて手を動かしてみる。それが大事です。

5分でも良いですが、毎日やることが大事です。歯磨きのように習慣化するためです。習慣にしてしまえば勉強をしていないと何だか気持ち悪いという状態になります。

特に受験勉強のように範囲が広くなると数日頑張ったくらいでは結果は出ません。続けないと意味がありません。

実は、私はそもそも「やる気」とか「モチベーション」という言葉をあやしいと思っています。「頑張る」から疲れるし燃え尽きてしまうのだと思っています。何かのために頑張るのではなく、勉強が楽しくてやっている、そういう状態がベストですよね。授業や日々のコミュニケーションでも「頑張る」という言葉を使わずに、どうやって勉強を楽しんで習慣化するか、そこに一番気をつけています。

ご家庭でも勉強や読書や仕事など、家族みんなが集中して何かに取り組んでいる時間が毎日あると、子どももそれが当たり前になるので良いかもしれませんね。

ちなみに習慣といえば、勉強に取り組めない子どもたちは生活習慣が乱れていることが多いです。特に睡眠不足の場合は、一日の授業内容がほとんど頭に入っていません。夜更かししていないかは要注意ですよ。

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