不安マーケティングにご用心

学習塾

「不安マーケティング」という言葉をご存知ですか。「このままでは志望校に合格できない」「今やらないと手遅れになる」といった不安をあおる宣伝です。心配や焦りは行動を促す動機になることもありますが、過度なプレッシャーは勉強への意欲を奪ってしまうこともあります。

◆「不安マーケティング」に惑わされないで

​​教育サービスや塾の広告でこんな言葉を見かけることはありませんか?

「今の成績だと高校入試に間に合いません」

「成績が上がらないのは〇〇をしていないから」

塾の面談で直接言われた方もいるのではないでしょうか。

こんなセリフを言われると、思わず不安になりますよね。
実はこうした表現は「不安マーケティング」と呼ばれる手法の一つです。

◆ 「不安マーケティング」とは?

不安マーケティングとは、
「人の不安を刺激して、商品やサービスへの行動を促す」方法です。

たとえば、
「このままでは成績が上がらない」→「だから今すぐ入塾を」
という流れを作るのが典型的です。

難しいテストで低い点数を取らせて不安を煽り、入塾を促すケースもあります。

不安を感じると「なんとかしなきゃ」と思うのが人の心理。
そのため、この手法は一時的に効果が出やすいとも言われています。

◆ 「不安」は長く続かない

問題は、不安をもとにした行動は一時的になりやすいということ。
子ども自身が「やらされている」「怖いから勉強する」と感じてしまうと、
勉強が「義務」や「苦痛」になり、長続きしません。

また、保護者の方も「焦り」から判断を急ぎ、
後で「もっと合う塾があったかもしれない」と感じてしまうこともあります。

◆ have toよりもwant to

中学生から「勉強しないと就職できない」と言われて驚いたことがあります(昔話ではなく最近の話です)

学校や塾の役割は、「不安を刺激して行動させること」ではなく、「楽しんで努力を続けられる環境をつくること」ではないでしょうか。

私の信念は、have to(しなければならない)ではなく、want to(やりたい)という気持ちで勉強に取り組めるようにすることです。

これは勉強だけではなく物事に取り組むときの真理ですよね。

孔子だって「之を知る者は之を好む者に如かず。之を好む者は之を楽しむ者に如かず」と言っています。

楽しんでいる人には勝てないのです。

◆ 「不安マーケティング」に頼らない塾でありたい

不安を持っている生徒や保護者には、現状の理解と、これからどんな勉強が必要かの説明をしますが、無理に受講を勧めることはありません。

集団指導塾や通信教育、オンライン家庭教師など、数ある選択肢の中から生徒本人が頑張れる環境を選べば良いと思っています。

成績を上げるために必要なのは、「焦り」ではなく「理解」と「継続」です。
学びに向かうエネルギーは、「不安」ではなく「自信」から生まれます。

「学ぶことが楽しい」と思える環境こそが、成績向上の一番の近道なのです。

シラチャの中学生たちは、今月は実力テストが、来月には定期考査があります。生徒たちは自発的に対策したい科目や単元を言ってくれて、みんな前向きにテスト勉強に取り組んでいます。

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