間違い直しは、学校や塾の宿題、模試や高校入試の過去問など、あらゆる勉強で必須です。今回は、成績を上げるための間違い直しのやり方を紹介します。特に学力が伸び悩んでいる人に読んでほしいと思います。
成績上位の生徒、もしくは成績が上がる生徒は間違い直しができています。そういう生徒は「なぜ間違えたのだろう」と疑問を持ち、「できなかったことをできるようにする」という意識が強いからです。
勉強が苦手な生徒や成績が伸び悩んでいる生徒を見ると、間違い直しができていないことが本当に多いです。マルバツをつけて終わっていたり、答えを写すだけだったりします。
できないところをほったらかしでは成長がありません。間違い直しをしている生徒とどんどん差が開いてしまいます。

「できなかったことをできるようにする」という意識で間違い直しをしてください。それでは、各科目でどのように間違い直しをするかを見ていきましょう。
国語の間違い直し
3科目の中だと国語の、特に読解問題の間違い直しができていない人が一番多いように感じます。
書き抜き問題の場合、文章中のどこに答えが書いてあるのかを探し、線を引いたり囲ったりするのは当然ですが、「なぜそれが答えになるのか」の根拠探しが重要です。
多くの問題では、設問文と同じ言葉や言い換え表現などが文章中に書かれています。
文章内容と一致する選択肢を選ぶ問題の場合は、正しい選択肢の内容が文章中のどこに書いてあるのかを探しましょう。
また、正しくない選択肢も文章とどこが違うのかを比べてみることが重要です。
国語の選択肢は、本文と同じような単語が使われていても、原因と結果の関係が逆になっていたり、文として読むと意味が変わっていたりすることがあります。選択肢は一語一句見逃さず丁寧に検証してください。
国語が苦手な人ほど「なんとなく」解いているので、自信を持って「これが答えだ!」と正解が選べるように精度を上げていきましょう。
下線部や空欄の前後だけを見てパズルのように解くだけでは読解力は伸びません。手を抜かずに文章と設問文を丁寧に読んでください。
漢字やことわざなどの語句問題や文法問題は、忘れていたり苦手意識がある場合は、間違い直しだけで終わらせず、語句を覚え直したり、文法問題の類題に取り組んでみるのをお勧めます。
数学の間違い直し
「ミスした場合」と「解き方がわからなかった場合」があります。
ミスした場合は「これはできる問題で、ミスしただけだ」と、答えや解説を読んで終わりにしてしまう人がいますが、必ず解き直しをしましょう。
次から同じミスをしないようにするために、間違えやすいところを自覚し、丁寧に解けるようにしてください。
計算問題でミスが多い人は要注意です。
一つ、二つならまだしも、三つも四つも間違えている場合は、ミスというよりも計算ができない(苦手)という状態です。
たくさんの計算問題に取り組んで、まずは基礎力を鍛えてください。
解き方がわからなかった問題の場合も、
「解説を読んでわかりました」と言う生徒がいます。
解説を読んで「わかったつもり」になっていても、実際にやってみるとできないということがあります。
解説を読んだだけで終わらせず、そのやり方で自分が本当にできるかどうか解き直しをしてください。
「解説を読んだのでわかりました」と言う生徒に「じゃあ、もう一回解いてみて」と、同じ問題をやらせてみるとできないことが本当にあります。
ここに「わかった」と「できるようになった」の違いがあります。
実際に手を動かして解き直すことで、解き方が身につきます。
その単元自体を忘れてしまっている場合や苦手な場合は、教科書やテキストで解法の復習をして、類題で練習をしましょう。
英語の間違い直し
英語は間違い直しが比較的やり易い科目ですが、どこまで深く取り組めるかで学力の伸びが変わってきます。
たとえば、単語が書けなかった場合です。
1. Thursdayが書けなかったので、他の曜日もすべて書けるかどうか確認する。
2. forgetの対義語rememberがわからなかったので、単語帳やテキストで対義語のリストを確認する。
1はやっても2の方はやっていない、という人も多いのではないでしょうか。
文法問題の場合も同様です。
We finished ( read ) the book.
たとえば、上記のような語形変化の問題で動名詞readingに変えることができなかった場合、
「finish以外で後に動名詞がくる動詞は他に何があったっけ」と、テキストを見直してenjoyやpracticeなども確認し、「前置詞の後ろも動名詞だ」と、前置詞を含むイディオムもまとめて復習する。
こんなふうに、英語の勉強は芋づる式にどんどん復習するところが出てきます。
長文問題は国語と同じく、抜き出し問題や内容一致の問題は、本文のどこに書かれているのか、それが答えになる根拠は何かを探すところまでが間違い直しです。もちろん正しくない選択肢もどこが違っているのかをチェックしましょう。
長文問題は内容が理解できているか解説の日本語訳を読んで確認しましょう。英語の場合は、国語のように抽象的で難しい文章が出題されることはありません。意味がわからなかった場合は、単純に単語を知らなかったり文構造がわかっていないだけです。
間違い直しの時に、わからなかった単語を書き出して全て覚えてしまいましょう。
その後で、もう一度英文を読み直して(自宅の場合は音読して)、全文内容がわかるようにしてください。
ノートにまとめよう
「間違い直しのやり方がわかりません」という人も意外に多いのですが、それは怪しいと思っています。これまでの人生で、誰も間違い直しを教えてくれなかったのでしょうか? そんなことありませんよね。
実際は、間違い直しは面倒だからやっていないだけという人が多いです。
「忙しい」「時間がない」というのは宿題をやらない生徒の決まり文句ですが、間違い直しも同様です。
むしろ違い直しにこそ時間をかけるべきです。
間違い直しが苦手という人は間違い直しノートを作ってください。
各科目のノートがあるのなら、間違い直しのページやコーナーを設けても良いし、間違い直し専用のノートを作っても良いです。
ノートをきれいに書いても意味がないと言う人もいますが、ノート作りは勉強を楽しむ一つのツールです。間違い直しノートも楽しんで作ることができれば、後で見返すこともできるし一石二鳥です。

とにかく今日から間違い直しに取り組んでください。「丁寧に間違い直しをするぞ」「できなかったところをできるようにするぞ」という意識でやってみてください。「成績が上がりました」という報告をお待ちしてます!
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