【入試問題研究】2024年愛知県

今回は愛知県2024年の高校入試問題の国語、数学、英語でどのような問題が出題されたのかを紹介します。シラチャでも愛知出身の方が多いので、帰国生入試についても説明しています。

愛知県では公立高校でも海外帰国生徒選抜を実施している学校があります。

名古屋市立名東高校（国際英語科）
千種高校（国際教養科）
刈谷北高校（国際教養科）
普通科では、昭和高校、中村高校、豊田西高校、岡崎西高校、豊橋東高校。

海外帰国生徒選抜でも一般選抜の学力検査（５教科）を受検しますが、国数英の３科のみで合否判定します。

海外帰国生徒選抜で合格とならなかった場合は，理社も加えた５教科の成績で一般選抜における校内順位を決定します。

国語

45分、22点満点。

[一]論説文は若林幹夫『社会学入門一歩前』から。科学と合理についての文章でした。

内容理解や脱文挿入などの問題の他、下記のような問題も出題されました。

（五）文章を読んだ生徒たちが話し合っている会話文を並び替える問題。指示語や接続語などをヒントに前後の文脈を考える。

（六）文章の論の進め方の特徴を選ぶ問題。普段の勉強から意味段落や文章構成について考えたい。

[二]漢字は、今年も同じ意味の漢字を選ぶ問題や四字熟語が出題された。

[三]小説文は辻村深月『この夏の星を見る』から。コロナ禍で活動する天文部の生徒の、転校する友達のために揺れ動く感情と、何かできないかと考え動き出す場面。

（一）（ニ）心情の説明として適当なものを選ぶ問題。心情説明は小説文の読解で頻出。選択問題、記述問題、こだわらずに人物の心情（心情の変化なども）説明できるように勉強しておこう。

（四）文章を読んだ生徒たちが話し合っている。本文に書かれていないものを選ぶ問題。

（五）今年も表現の特徴を選ぶ問題が出題。

[四]古文（漢文の書き下し文）は『貞観政要』から。

現代語訳も併記されているので内容理解は難しくないとは思うが、古文•漢文はたくさん解いて慣れておきたい。

（四） ア「家臣としてのあるべき姿を説いた」を選んでしまった人もいるのでは。古文•漢文も良いことが書いてあるそれっぽい選択肢ではなく、しっかり本文と照らし合わせて選ぼう。文中の「長く富貴を守らん」がヒント。

数学

45分、22点満点。

[1]小問集合

正負の数、文字式、平方根、二次方程式、不等式、反比例、箱ひげ図、相似の問題などが出題された。

[2]

（1）確率の問題は下記の動画で解説しました。

（2）関数　面積をもとに式を求める問題。

（3）兄と弟の速さと時間についての直線をグラフに書き込み、交点からすれ違う回数を求める問題。

[3]図形

（1）錯覚を利用する。

（2）三平方の定理と相似を利用する問題。

（３）も相似を利用。

英語

リスニング10分、筆記40分、22点満点。

聞き取り検査（リスニング）

例年通り「正」「誤」を塗りつぶす形式です。

（1）対話文と、対話文についての問いに対する正しい答えを選ぶ。

直接答えになるセリフが読まれるわけではなく会話から状況を推定する必要があるので、最低限の内容理解と読解力が必要。

（2）スピーチと、スピーチについての問いに対する正しい答えを選ぶ。

スピーチの内容にタイトルをつける問題（正しい選択肢を選ぶ）単語を聞き取るだけではなく、やはり内容理解力が求められる。

筆記検査

[1]会話文の空欄補充

[2]資料の読み取り

複数の資料を読み取り読解する問題。難しい問題ではないが焦らず落ち着いて解けるようにしっかり練習しておこう。

並び替え問題ではcommon「共通の」「普通の」という形容詞の入れどころに悩んだ受験生もいたのでは。

[3]オンラインミーティングの長所と短所ついての文章

馴染みのあるテーマの文章なので理解しやすい。

チェックしておきたい英単語
progress 進歩
appear 現れる
effort 努力
effective 効果的な
impressive 印象的な

[4]会話文

博物館に行くための交通手段について話し合っている。これもよくあるテーマなのでスムーズに読めるはず。

（2）I see what you meanは「あなたの言いたいことはわかる」という意味。

（3）会話の内容を表にまとめる問題。

（4）資料の読み取り。レストランの時間や値段の表から読み取れる正しい選択肢を選ぶ問題。一つずつ選択肢の正誤を判断していく必要がある。最後に焦らないように時間配分に気をつけたい。