都立立川高校2024年入試の国語、数学、英語の問題についての記事です。どのような問題が出題されるのか解説とともに紹介します。対策の参考にしてください。
東京都では、青山高校、国立高校、立川高校、戸山高校、西高校、八王子東高校、日比谷高校、国分寺高校、新宿高校、墨田川高校、国際高校で自校作成問題が出題されます(国際高校は英語のみ)
国語
50分100点満点
例年と同じような構成。論説文で長めの記述問題が出題される。
[一]漢字の読み
読み5問。読みでも書きでも四字熟語がよく出題されるので、たくさん覚えておきたい。
[二]漢字の書き
書き5問。漢字自体は小学生で習うものでも、バイニク「梅肉」など書き慣れていない言葉が多く出題される。直前で焦らないようにコツコツ漢字練習していくこと。
[三]小説文
出典は逸木裕『 風を彩る怪物』(祥伝社)
フルート奏者を目指す陽菜がオルガン工房を営む父娘との交流を通して楽器のおもしろさを知っていく場面。
登場人物の心情や文章表現について問う問題。スムーズに解けたのでは。
[四]論説文
AとBの二つの文章を読解する問題。
Aの出典は池上嘉彦『記号論への招待』(岩波新書)
Bの出典は石黒圭『日本語は「空気」が決める~社会言語学入門~』 (光文社新書)
「対比」は読解の基本なので、普段から「違い」や「類似点」に気をつけながら読む練習をしていこう。
また、既に知っている言葉と初めてみる言葉では読解に大きな差ができるので、哲学的な文章も読み慣れておきたい。
(3)45字以上60字以内の記述問題。線部の後の文章をまとめる。
(5)生徒たちの会話文を読んでセリフの空欄を埋めていく問題。35字以上50字以内の記述も。社会言語学について書かれている部分をまとめる。
記述問題は上記の2題が出題された。文章内容をまとめる記述問題の練習はしっかりしておきたい。
[五]漢文に関する文章
出典は齋籐希史『漢文ノートー文字のありかを探る』(東京大学出版会)
2023年は西行の歌に関する文章が、2022年も歌に関する問題が出題されましたが、今年は漢文に関する文章でした。
(6)助動詞「られる」の意味の識別。文法問題は例年基本的な問題なのでミスしたくない。

東京都の各学校で最後の大問は古文、和歌、俳句などを扱った国語的教養を深めるような文章が出題されるので教える方もとても楽しいです。
数学
50分100点満点
[1]小問集合
根号の計算、連立方程式、確率、作図など、基本的な問題だった。
過去問をやってみて円周角を利用した作図が書けなかった人もいるかも。作図も毎年出題されるのでいろんな入試問題を解いて練習しておこう。
[2]関数
(1)代入して比例定数を求める問題。
(2)面積から式を求める、途中式や計算も書く問題。下記のように△OABの底辺が12a-2で高さが4a

(3)回転体の体積比を求める問題。下記のようにA, B, Dの座標がわかれば回転体の体積も求めることができる。

[3]平面図形(証明)
(1)辺の長さを求める問題。平行線の錯角と同位角を利用して二等辺三角形を見つけ、その後に三平方の定理で辺の長さを出す。
(2)証明問題
(3)面積を求める問題。二等辺三角形をヒントに長さを求めていく。三角形の高さを求めるのに時間がかかりそう。
[4]立体図形
(1)体積を求める。基本問題。
(2)最短距離を求める問題。展開図が描けるかがポイント。
(3)体積比から辺の長さを求める問題。これも時間がかかりそう。特に立体U-ASTDの高さを求めるのに時間がかかった人が多いのでは。

証明を含めると記述する問題は3問題出題されて各11点の合計33点と配点が高い。

全て解けなくても合格点に達すれば良いので、時間内で解ける問題をしっかりとれるように精度を上げていきましょう。
英語
50分100点満点(リスニング含む)
[1]リスニング
リスニングは自校作成ではなく共通問題です。二回ずつ読まれるのでそれほど難しくないはず。
(A)対話文を聞いて英語の質問に答える選択問題。
(B)一人の話者の話すことを聞いて、英語の質問に答える問題。英文を書く問題もあるが、読まれる英文の中に答えがある。
[2]対話文
石や岩石、地熱などに関する内容。理科的な内容や環境などの社会問題についての文章がよく出題される。
適語補充や内容一致、会話文を正しい順番に並べたりなどいつもの形式。
(5)並び替えは分詞の修飾と受動態が混ざった問題だった。立川の並び替えは難しいものが多いので、文が長くて難しい並び替え問題をたくさん練習しておきたい。
(8)内容一致問題は正しいものを全て選ぶ問題で、何個正解なのかはわからないので悩ましい。しっかり本文を参照しながら違う選択肢を消していく。
(9)英作文。おすすめの環境にやさしい製品について書く問題が出題された。
解答例はBicycles(自転車)だったが、エコバッグ(reusable bags)や詰め替えパック(refill packs)などでも書きやすいと思う。
環境問題はよく出題されるテーマなので引き出しを増やしておこう。
他校の自校作成問題や英検2級のライティング問題などでたくさん練習しておきたい。
下記の記事も参考にしてください。
[3]長文問題
高校生が、一年間島で暮らしてきた体験を語る。初めは地元を離れるのが寂しかったが、島でのイベントに参加することで島の人々と仲良くなり自信をもつようになる。
(6)並び替え問題。関係代名詞whichを使った文。common(一般的な、普通の)という単語が二回出てくるが使い慣れていない人は英文の意味がなかなか出てこなかったかもしれない。
(10)適語補充。語り手の高校生が島の先生にメールを出す。本文内容をふまえて空欄を埋めていく。

自校作成問題は共通問題や全国の公立高校の入試問題と比べて文章や問題の分量が多く時間との戦いになります。受験校の過去問はもちろんですが、記事の冒頭でも紹介した他校の自校作成問題にも取り組んで時間内で解く練習をしましょう。
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