成績が伸び悩んでいる人や思ったように勉強に取り組めない人は、勉強方法以外の問題を抱えていることが多いです。学力アップのためには心技体をバランスよく高めていく必要があります。

中学1年生はいよいよ初めての定期テストが始まります。また、中3生にとっては高校入試に直結する大事なテストになります。第1回目のテストで良い結果を出して良い波に乗って欲しいと思います。
定期テスト対策といえば「ワークを3回解こう」というアドバイスをよく聞きますよね。かく言う私も以前の記事で書いたことがあります。
ところが、このアドバイスを聞いて「実際にワークを3回やる人」と3回どころか「1回もできない人」がいます。
さらに、「ワークを1回やってできるようになる人」もいれば「ワークを3回やってもできるようにならない人」もいたりします。
根本的な話をしますが、まず勉強には「心技体」のバランスが非常に重要です。
勉強における心技体とはどういうことかというと、
心=モチベーションや好奇心、勉強を楽しむ前向きな心
技=暗記や間違い直しなどの勉強のやり方
体=長い時間勉強する集中力や体力、勉強するときの姿勢
などのことです。

心
いつもは熱心に勉強している生徒が、学校や家で嫌なことがあると、イライラして授業に集中できない、ということもあります。勉強に集中するには心を落ち着かせる必要があります。
セルフイメージを高める
私は自己肯定感という言葉があまり好きではないのですが、
とはいえ、実際に「俺バカだから」とか「数学無理」とかネガティブなことばかり言う生徒はいます。
勉強ができない自分を「自己イメージ」にしてしまうとそこから抜け出すことができません。
「勉強ができる自分」を強くイメージしましょう。
50点が当たり前の自分ではなく、100点が当たり前の自分をイメージしてください。
そうすることで、学校や家での勉強の取り組み方も変わってくるはずです。
勉強を楽しむ
これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。
孔子『論語』
「英単語は覚えられなくてもポケモンの名前は覚えられる」
そういう子どもたちは多いと思います。
何事も楽しんでいる人には勝てません。楽しいことなら放っておいてもそればかりやっているからです。
将来のためとか受験のためとか何かのためにつらいことを頑張るような勉強は長続きしません。
世界の奥深さを知るのはとても楽しいことです。
勉強の楽しいところを探しましょう。
技
逆算学習計画
定期テストに向けて、塾や学校でテスト勉強の計画表を作る人も多いと思います。
学習計画は逆算して作りましょう。
たとえば、テスト日まであと2週間だとします。
平日、放課後に何時間勉強できるか、土日は何時間勉強できるか考えてみてください。
平日3時間、土日5時間だとして14日間で合計50時間です。
5科目の試験の場合は平均すると1科目に使える時間は10時間です。
ワークのテスト範囲が30ページだと、1周するだけでも1時間で3ページです。2周するためには1時間で6ページ進める必要があります。
こうしてみると、2週間は意外に時間がないことがわかります。
かといって計画を立てる時点で平日5時間、土日は10時間など、きついスケジュールを組むのはおすすめしません。
人間は機械ではありません。学習計画通りに勉強を進められる人の方が少ないので、余裕を持ってスケジュールを組みましょう。
このように逆算して計画を立ててみると、だらだら勉強している時間がないことがわかり集中力が高まります。また、「時間が足りないから暗記は学校でやってしまおう」など工夫するようになります。
暗記ものはテストしてみる
社会だったらストーリーや出来事の関係の中で覚えたり、漢字だったら何度も書いたり、英単語だったら例文や音読で覚えるなど、いろいろな工夫がありますが、必ずちゃんと覚えたかどうかのテストをしてみてください。
小テストでも「覚えました!」と言いながら全然できない生徒がいますが、こういう人は自分で覚えたかどうかの確認をしていません。答えを見ないで解き直し、それでもできない場合はまた練習したり復習ノートにまとめておきましょう。
復習ノート
間違えたところや覚えていなかったところはノートにまとめておきましょう。
すでに覚えているものや簡単にできる問題を何度も解くのは効率的ではありません。
ノートに新しいものを書くときに前のページを見直したり、土日に復習して、しっかり記憶に定着させてください。
ノートにまとめておくとテスト直前の見直しにも便利です。
復習ノートはマーカーを使ったり、参考書のように丁寧に作っておくと、後で見直す時に楽しいですよ。勉強も楽しみましょう。
体
健全なる精神は健全なる身体に宿る。
ユウェナリス
大人ならわかると思いますが、良い仕事をするためには「睡眠、食事、運動」がとても重要ですよね。ずっと座っているよりも、ちょっと運動した後の方が、頭がスッキリして仕事も勉強も捗るものです。
最近は、スマホゲームやYouTubeなどで夜更かしして寝不足、授業に集中できない日が続き成績もガタ落ち、という子どもたちが増えてきています。生活習慣は学力に直結します。
また、姿勢が悪く机に突っ伏して授業を聞いている(聞いていない)生徒も学力が伸びにくいように感じます。統計を取ったわけではありませんが、塾や学校の先生たちなら共感してくれることだと思います。
学力不振の子どもは授業が始まってすぐに「疲れた」「眠い」といったセリフを言ったりします。
勉強には体力も必要です。
生まれつき体の丈夫な人にはわからないかもしれませんが、世の中にはそんなに恵まれた身体を持っていない人も多いのです。
また、勉強は習慣です。
定期テスト期間の2週間で50時間勉強するというのは、集中して勉強する身体を作る練習でもあるのです。

学校や塾の先生など教える側はもちろんですが、子どもたち自身にも心技体という視点を持って勉強に取り組んでほしいと思います。
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