「単語の分類」は中学1年生の国語で習う範囲です。特に難しいのが、文を単語に分けて品詞名を答える問題です。プリントもダウンロードできるので定期テストや模試、高校入試の対策などに使ってください。
▼プリントダウンロード▼
単語の分類(品詞完全マスター)プリント
単語の分類(品詞完全マスター)プリント解答
※プリントは授業で自由に使ってください。ただし、ネット上での再配布や販売はお断りします。
プリントは単語に分けて品詞名を書く問題です。解答の品詞名は「動詞→動」「形容動詞→形動」のように省略して書いてあります。自立語と付属語が見分けやすいように付属語は赤で書いてあります。

プリントは模試や入試を想定して難しく作ってあります。今回のブログ記事では間違えやすいポイントも解説していますよ。
まずは品詞を覚えよう
まずは品詞10個を覚えましょう。
- 動詞…述語になる(ウ段で終わる)
- 形容詞…述語になる(「い」で終わる)
- 形容動詞…述語になる(「だ」で終わる)
- 名詞…主語になる(体言)
- 連体詞…連体修飾語になる。
- 副詞…連用修飾語になる。
- 接続詞…接続語になる。
- 感動詞…独立語になる。
- 助動詞…活用する付属語
- 助詞…活用しない付属語
教科書やテキストなどにも下記のような表が載っていると思います。

「自立語」とは、単独で文節を作ることのできる単語です。
「付属語」とは、単独で文節を作れない単語です。前の単語にくっつけて使います。
「活用する」とは、単語が変化すること、「活用しない」とは、単語が変化しないことです。
活用する自立語
活用する自立語は「動詞」「形容詞」「形容動詞」の三つです。
- 動詞は「ウ段」で終わる「走る」「書く」「飛ぶ」のような語です。
- 形容詞は「い」で終わる「美しい」「暑い」「青い」のような語です。
- 形容動詞は「だ」で終わる「静かだ」「きれいだ」「偉大だ」のような語です。
「活用する」というのは「単語が変化する」ということでしたね。
それぞれの単語の後ろに助動詞「た」をつけて過去形に変えてみましょう。
- 「走る」+「た」→走った
- 「美しい」+「た」→美しかった
- 「静かだ」+「た」→静かだった
それぞれ「走っ」「美しかっ」「静かだっ」に変化していますね。
形容詞は「美しい」の「い」の部分が「かろ、かっ、く、い、い、けれ」と変化します。
形容動詞は「静かだ」の「だ」の部分が「だろ、だっ、で、に、だ、な、なら」と変化します。
わかりにくい形容動詞が「こんな」「そんな」「あんな」「どんな」です。
- こんな(だ)
- そんな(だ)
- どんな(だ)
- あんな(だ)
という形容動詞の「だ」が消えたものです。
「動詞」「形容詞」「形容動詞」の三つを用言といいます。
用言の活用については下記の記事も参考にしてください。
活用しない自立語
活用しない自立語は「名詞」「連体詞」「副詞」「接続詞」「感動詞」の五つです。
名詞
名詞は主語になる語です。
名詞は以下の五つに分類することができます。
- 普通名詞…「山」「友達」「友情」など
- 固有名詞…「富士山」「山田君」など
- 代名詞…「あれ」「彼」など
- 数詞…「一人」「百万円」など
- 形式名詞…「こと」「とき」「もの」など
「友情」「努力」「勝利」のような物体ではない概念(考え)も名詞です。数詞や形式名詞も慣れるまでは見落としがちです。
下記のような文も間違えやすいです。
彼の走りは美しい。(名詞)
動詞「走る」が変化したようにも見えますが、主語になっているので名詞です。
また、名詞のことを体言といいます。
連体詞
連体詞は連体修飾語になります。連体修飾とは体言(名詞)を修飾するという意味です。
この人はぼくの友だちです。(連体詞)
「この」は後ろの「人(体言)」に係っていますね。
間違えやすいのが「大きな」「小さな」「いろんな」の三つです。この三つは連体詞です。
小さな声で鳴いている。(連体詞)
「小さな」は後ろの「声(体言)」に係っているので連体詞です。
形容詞「小さい」と間違えやすいので気をつけましょう。
形容詞は「い」の部分が「かろ、かっ、く、い、い、けれ」と変化します。「な」には変化しません。
「小さな」は形容詞ではないので連体詞として考えます。
副詞
副詞は、主に連用修飾語になります。連用修飾とは用言(動詞、形容詞、形容動詞)を修飾するという意味です。
副詞は下記の三つに分類することができます。
- 状態の副詞…「どのように」という状態を表します。
- 程度の副詞…「どのくらい」という程度を表します。
- 呼応の副詞…呼びかけて応えるように決まった表現を伴います。
雨がザーザーと降っている。(状態の副詞)
彼はとても強い。(程度の副詞)
まるで天使のようだ。(呼応の副詞)
「まるで」と言ったら「〜ようだ」という言葉がセットになりますよね。他にも「きっと〜だろう」「もし〜なら」のようなものが呼応の副詞です。
接続詞
接続詞は接続語になります。
「しかし」「だから」「そして」「あるいは」のような単語です。
感動詞
感動詞は、独立語になり、「応答」「呼びかけ」「感動」「あいさつ」などを表す語です。
「はい」「ねえ」「やったあ」「おはよう」のような言葉です。
付属語(助詞と助動詞)
助動詞は活用する付属語、助詞は活用しない付属語です。
と言われても、最初はみんな助詞と助動詞の見分けに苦戦します。
ということで、助動詞18個を覚えてしまいましょう。覚えておけば見分けるのは簡単です。
助動詞18個
- れる、られる、せる、させる、たがる
- たい、ない、らしい
- そうだ、だ、ようだ
- た、ぬ、です、ます
- う、よう、まい

どれが助動詞かは一目でわかりますね。
では、下の文を単語に分けてみてください。活用する語は、焦らずに元の形が何かを考えましょう。
食べられた。
「食べ+られ+た」に分けられます。「食べる」が「食べ」に、「られる」が「られ」に変化しています。
もう一つ分けてみましょう。
休みたかった。
「休み+たかっ+た」に分けられます。「休む」が「休み」に、「たい」が「たかっ」に変化していますね。
付属語の単語分けで間違えやすいのは「た」「だ」「て」「で」です。
「た」「だ」は助動詞、「て」「で」は助詞です。
「走った」「走って」なら「走っ+た」「走っ+て」と分けます。
「いた」「いて」のような場合も「い+た」「い+て」と分けます。
助動詞「た」がつくことによって、動詞「いる」の「る」が消えて「い」に変化しています。このように活用して一文字だけになった動詞は見落としやすいので気をつけましょう。
また、下記のようにまぎらわしいものもあります。
①あの人はどうやら男らしい。(助動詞)
②あの人はとても男らしい。(形容詞)
①の文は推定の助動詞「らしい」です。
②の文の「らしい」は「男らしい」という形容詞の一部です。
「ない」の見分け方も頻出です。
①お金がない。(形容詞)
②お金はいらない。(助動詞)
①の「ない」は述語になっていて「お金が/ない」と文節も切れますね。これは形容詞です。
②の「ない」は前の「いる」という動詞を否定している「助動詞」です。文節も「お金は/いらない」となります。
これはどうでしょうか
空はまだ暗くない。(形容詞)
「ない」を述語にすると「空がない」になってしまうので意味が変わってしまいます。「暗く/ない」という述部(二文節)の一部です。この「ない」は前の「暗い」を打ち消している「補助形容詞」です。

単語に分けたり品詞を見分けたりするのは、慣れるまでに時間がかかると思います。焦らずじっくり練習してください。わかるようになってくると楽しいですよ!
コメント