【入試問題研究】埼玉県学校選択問題2023年

受験

埼玉県の公立高校入試では学校選択問題があり、数学と英語の応用問題を出題する高校があります。今回は埼玉県2023年入試の学校選択問題でどのような問題が出題されたのか解説とともに紹介します。対策の参考にしてください。

2023年入試で学校選択問題を実施したのは下記の22校です。

浦和高校、浦和第一女子高校、浦和西高校、大宮高校、春日部高校、川口北高校、川越高校、川越女子高校、川越南高校、熊谷高校、熊谷女子高校、熊谷西高校、越ケ谷高校、越谷北高校、所沢高校、所沢北高校、不動岡高校 、和光国際高校、蕨高校、さいたま市立浦和高校、さいたま市立大宮北高校、川口市立高校。

上記の高校を志望する生徒は、数学と英語は特に得意科目にしておきたいですね。

数学

問題構成は、
[1]小問集合 44点
[2]作図と証明 13点
[3]規則性 9点
[4]関数 17点
[5]空間図形 17点

[1]小問集合

問題数は下記の10問
(1)多項式の計算
(2)xy(x+y)(x-y)。
(3)5x-2をAに置き換える。
(4)全数調査と標本調査の違い。
(5)確率の問題。
(6)切り口の円の半径を三平方の定理で求める。
(7)の「ねじれ」の問題は展開図から立体をイメージするのが難しいかもしれません。
下記の図のように点線で延長した線は交わるのでねじれにはなりません。


(8)Xの百の位の数をxに一の位の数をyとすると(100x+70+y)-(100y+70+x)=396
(9)関数の変域についての問題。
(10)箱ひげ図の問題。

標本調査や箱ひげ図など知識を問われる問題も出題されるので、中学生範囲は満遍なく覚えておきましょう。

[2]作図と証明

(1)作図の問題。垂直二等分線や角の二等分線等、基本的な作図の書き方を復習しておきましょう。
(2)錯角、同位角、対頂角を利用した証明の問題。

[3]規則性

(1)無限小数と有限小数を選ぶ問題。
(2)1÷7=0.142857142…..の「142857」を5回繰り返す。

[4]関数

(1)関数のa,b,cを不等号で表す問題。

(2)座標平面上の台形の面積や回転してできる立体の体積についての問題。

問題文にP,Qのx座標がそれぞれ-1, 2とあるので、代入するとP(-1, a) Q(2, 4a) S(-1, -a) R(2, -4a)になる。また、直線QSの傾きが1とあるので、$ \dfrac{yの増加量}{xの増加量}= \dfrac{5a}{3} =1 $ で $ a=\dfrac{3}{5} $

体積はQRを底辺とした大きい円錐からPSを底辺とした小さい円錐を引いても良いのですが、体積比は相似比の3乗になるので、小さい円錐:大きい円錐は1:64で台形の回転体は63です。計算がちょっと簡単になりますね。

[5]空間図形 17点

(1)平面図形(展開図)で考えよう。IP+PGが最も短くなるのは直線の時。
(2)三角錐IPQRとCPQSが合同なので、体積は直方体ABCDRPSGを求めれば良い。

(3)この問題も平面で考えるとわかりやすい。EGの長さは三平方の定理で4√2だとわかる。球の中心からIの長さは2√2、球の中心から△IPQの接点までは2cm、Iから接点も三平方の定理で2cmだとわかる。よって直角二等辺三角形になっていることがわかる。

図形をイメージできるかどうかがポイントになる問題が多く出題されました。50分という試験時間であまり悩んでいる余裕はありません。応用問題をたくさん解いてイメージ力をつけていきましょう。

英語

問題構成は、
[1]リスニング 28点
[2]会話文 28点
[3]長文 34点
[4]英作文 10点

[1]リスニング

リスニング問題は通常の問題と音源は同じですが、いくつか設問が異なり学校選択問題の方が少し難しくなっています。No.7は英語で答える問題なので、基本的な英文法、単語力が必要です。ディクテーションの練習も効果的です。

配点が28点と高いので、リスニングを疎かにせずしっかり対策していきましょう。計算が必要な問題もないので、高得点が狙えるはずです。

[2]会話文

会話文が4つに分れていて、それぞれの会話文ごとに質問に答えていく珍しい形式の問題です。

(1)並び替え問題。不定詞「ask 人 to 〜」「疑問詞 + to 〜」を使った文。

(2)内容一致問題。選択肢に言い換え表現が使われている問題。

(3)資料読み取り問題。割引分の計算が必要。

(4)和文英訳。3語の英語で答える。

(5)英問英答。Whyの質問に本文にbecauseがある基本的な問題。

(6)-1 内容一致。同じページに答えが書かれている。

(6)-2 内容一致。2ページ前の会話文に戻る必要がある。内容を覚えていないと、もう一度読み直すことになるので注意が必要。

(7)空欄補充。3語以上の英語で答える問題。Yes/NoではなくI did. と答えているのでWhoの質問だとすぐに思いつくかどうかがポイント。

長めの会話文なので速読したくなる気持ちはわかりますが、読み飛ばすとミスが増えたり、結局読み直すことになり余計に時間がかかってしまいます。全文しっかりと読んで内容を理解できるようにしましょう。

[3]長文

(1)英問英答。これもWhyの質問に本文にbecause ofがある。質問文のumbrellas(複数形)を代名詞theyで答えること。

(2)内容理解を問う問題。日本語で書く問題。

(3)適語補充(語形変化)Aはto+動詞の原形、Bのthey were brokenは受動態。

(4)空欄に適切な文を選択する問題が3問。段落ごとの内容理解と文脈を読む力が必要。逆接の接続詞thoughの使い方を理解していること。

(5)並び替え問題。「時々私は未来の傘がどんなものか想像する」What is S like? 「Sはどんなものですか?(どんな感じですか)」を知らないとlikeの使い方で困ってしまいます。

(6)要約文の適語補充。空欄に当てはまる英語を2語で書く問題が3問。本文の単語がそのまま使えず、要約文の文脈に合わせて書き換える必要があるので難度は高いです。

[4]英作文

英文を読んで自分の考えと理由を40語~50語程度で書く問題。

「海の近くに住むのと山の近くに住むのはどちらが良いか」という質問でそれほど難しくはありません。「海と山とどちらが好きか」というのはよくある質問で、中学生であれば一度は書いたことのあるテーマではないでしょうか。
※採点基準にある通り、文章に一貫性がないもの、同じ内容の無用の繰り返し等は原点になるので注意してください。

英作文は10分程度で書ける練習をしておきましょう。

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