「国語の勉強のやり方がわからない」「国語の成績って上がるの?」という疑問を持っている子どもたちや保護者のためにこの記事を書いています。
「国語の勉強のやり方がわかりません」
この仕事をしていると、こういう相談をよく受けます。
国語が苦手な子どもたちにはいくつかのパターンがありますが、よくあるのが下記の三つです。
文章を読んでいない
テストや問題を解くときに、そもそも文章を読んでいないというケースがよくあります。
どうやって問題を解いているのか聞くと、空欄や線部の前後だけ見て答えを書いている、と。
小学校のテストならそれで通用する問題もあったかもしれませんが、中学生になると問題も難しくなってきて、そういうやり方では対応できません。
そこで、まずは全文を読ませてから問題を解かせると、最初よりもできる問題が増えています。
ですが、文章を読ませてから問題に取り組んでみてもやっぱりできないという生徒もいます。どんな話だったか聞いてみても答えることができません。
内容を理解できていないのです。
こういう子どもたちに音読させてみると、漢字が読めなかったり文や単語の切れ目がわからなかったり、スムーズに文章を読めない場合が多いです。
学校で教科書を音読した記憶は誰でにもありますよね。塾で働いていると、子どもたちから学校で音読ばかりやらされると愚痴を聞かされることがあります。確かに国語の得意な子どもたちからすると今さら音読なんて退屈かもしれません。
だけど、学校にはいろんな子どもたちがいます。本当に本当に国語が苦手な子どもたちもいるのです。そういう子どもたちを置いていかないためにも、音読をして内容を体に染み込ませる訓練をしているのでしょう。
話は戻りますが、そもそも文章を読まずに問題の前後だけ読んで解くという生徒は中学生にも多いので驚きます。
このヤバさがわかるでしょうか。
中学生になるまで文章を読まずにパズルのように答え探しばかりやってきたということです。
文章が読めるようになるわけがありません。
国語の教材やテスト扱われるものは、とても良い文章が多いのに本当にもったいない。国語の文章には幅広い教養や生きるヒントや好奇心を刺激するいろいろなものが含まれているのに。
国語が苦手な子どもにはまず音読をさせてみてください。
ちゃんと文章を音読できるかどうかが試金石です。音読ができない場合は、読めない漢字や知らない言葉を調べ、音読できるように練習してください。
実は「読書が嫌いです」とか「うちの子、全然本を読まないんです」というケースの大半が、好き嫌い以前に単にわからなくて読めないという状態に陥っています。
まずは文章を読めるようになることが第一です。規約や契約書も読めない人になってしまっては大変です。
国語の勉強をしていない
また、そもそもほとんど国語の勉強をしていないという場合が非常に多いです。
たとえば、定期考査対策で5科目の勉強時間の配分を聞いてみると圧倒的に少ないのが国語の勉強時間です。
なぜ国語を勉強しないのか聞いてみると、「何をやればいいのかわからない」とか「国語を勉強してもできるようになると思えない」という答えが返ってきます。
確かに、他の科目のように覚えたことがそのままテストに出るという問題は少ないです。特に模試や入試問題では、教科書で読んだことがない文章が出題されるのですから。
ただ、最初に断言しますが、国語も他の科目と同様にやればやっただけ伸びます。
これは国語を教えている先生なら誰もがわかっていることです。
私がこの仕事を始めて間もない頃、中三生になった段階で国語の偏差値が55前後という生徒に相談を受けました。
「県内トップの公立高校に合格したいので国語の成績をなんとかしたい」と。
彼がまさに「何をやって良いかわからず結局国語の勉強をしないままきた」生徒でした。
彼はやる気があったので、授業も宿題も素直に取り組んでくれました。結果、国語の偏差値は65以上まで上がり、入試の当日点も90点を超えて第一志望のトップ校に合格しました。
彼のおかげで、まだ若かった当時の私は国語指導に自信を持つことができました。今でも強く記憶に残っています。
国語が苦手な人は、まずは数学や英語と同じように国語の勉強時間を確保してください。
勉強しないでできるようになるなんてそんな甘い話はありません。
国語の勉強方法がわからない
国語が苦手な人が、いざ勉強しようと思ってもどう勉強していいのかわからないという場合も多いです。
まずは文章読解に話を絞ります。
文章問題を解いて、マルつけをして終わり。これで終わっていては勉強した意味はほとんどありません。他の科目と同様に「できなかった問題をできるようにする」のが勉強です。
読解問題が苦手な子どもたちがまず取り組むべきは根拠探しです。根拠というのは、それが正解になる証拠のようなものです。

できた問題も、できなかった問題も、とにかく解答の根拠を探してください。
塾の先生たちは国語の授業で絶対に同じことを言います。なんとなく解いてマルバツだけつけて終わるくらいなら、解かずに最初から模範解答を見て根拠探しだけ徹底してやった方が絶対に国語の成績は伸びます。
質問文や空欄の前後にヒントとなる言葉あり、そのヒント語が文章中に出てくることが多いです。
選択肢の問題なら、不正解の選択肢の何が文章と違うのか、正解の選択肢が文章のどこに書かれているのかを探してください。
「ここにこう書いてあるから、これが答えだ!」そう自信を持って言えるようになったら根拠が探せています。
「なんとなくこれが答えだと思う」という自信がない状態は根拠が探せていません。
とはいえ、言い換え表現や難しい言葉が使われている場合は、国語が苦手な人ほど苦戦するでしょう。まず内容を理解できないと根拠を探すのも難しいです。辞書を引いたり、先生に質問したり、焦らずじっくりと国語の勉強を続けていくことが肝心です。丁寧に根拠探しをしていくことで文章理解力もついていきます。
勉強を通して語彙力や教養を身につけていくのも国語の醍醐味です。楽しんで国語の勉強に取り組んでほしいと思います。
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