市川高等学校2023年の国語、数学、英語の入試問題についての記事です。どのような問題が出題されるのか解説とともに紹介します。対策の参考にしてください。
市川高校は千葉で人気のある私立上位校のひとつです。
帰国生入試も実施していて、国数英の3科目で受験することができます。

千葉県の進学塾で7年ほど勤務していたことがあります。入試当日に応援に行ったのも良い思い出です。
国語
50分、100点満点。論説文、文学的文章、古文、漢字。
[一]論説文
出典は長谷川眞理子さん『種と個のあいだ―「利己的な遺伝子」をめぐって』
(1)〜(4)は内容理解を問う選択問題。
(5)は100字以内の記述問題。
問題文のまとめで書かれた「科学者の使命」とはどのようなものかを本文の言葉を使って説明する問題。要約力が求められる。
[二]文学的文章
出典は恒藤恭「友人芥川の追憶」
(4)80字以内の記述問題。
「私たちの共有の世界」がどのような過程でつくられたものかをまとめる問題。論説文に比べて比喩や抽象的な表現も多く難しく感じる受験生が多いのでは。
(5)短い文章(出典は芥川龍之介「恒藤恭氏」)を読んで本文と比較・検討する問題。選択肢も文章が長いので本文と行ったり来たりしていると時間がかかる。
[三]古文
一色直朝「月庵酔醒記」と井原西鶴「武家義理物語」の二つの文章の読解問題。
「仮名遣い」や「古典文法」などを直接問う問題はなく、内容理解が中心。少し長めの古文を読む練習をしておこう。
[四]漢字
書き漢字が5問
「臨む」のような小学校で習う漢字も出題されるが、市川高校は中学校で習う漢字が多く出題される。各中学校の定期考査でも漢字は出題されているはずなので、教科書漢字は毎回手を抜かずに覚えておきたい。
受験生は中学校範囲の漢字を復習しておこう。
数学
50分、100点満点。
[1]関数
(1)対称の点を直線で結んで最短距離を求める問題。
(2)グラフの中にある三角形の面積を求める問題。
(3)面積から座標を求める問題。
[2]場合の数
三角形の数を数える問題。
横線の格子点をそれぞれ1点結ぶという条件に注意。

[3]規則性
Bは会話文中の「1つ離れた数との差をとってみよう」というセリフがヒント。
下記のように偶数番目の数n×4ずつ増えていく。(その数がAと共通の数になる)

[4]空間図形
四面体の問題。
(2)は下記のように△ABMで考える。BHかHMをxとおいて考えてみる。

(3)は球の断面の面積を求める問題。はみ出した部分を計算する必要があるので時間がかかる。

捨て問という言葉はあまり好きではないのですが、試験本番では(3)を後回しにした受験生も多かったのではないでしょうか。下記の解説動画も参考にしてください。
[5]証明
(1)円の中心から六角形のそれぞれの頂点を結び三角形に分けて面積を出す。
(2)円周角や錯覚を使って証明する問題。
(3)見た目から「QFとQSの長さが同じなのでは」と考えて解いた受験生も多かったのでは。
英語
60分、100点満点。リスニングと長文が2題。
[1]リスニング
(A)一人の話者の話を聞いて質問に答える問題。コーヒーの歴史についての話。
(B)会話文を聞いて質問に答える問題。ウェルカムパーティーの相談をしている。
どちらも長めの英文で、紛らわしい選択肢もあり、リスニングが得意な生徒でも満点を取るのは難しいのでは。英文は2回読まれるので、微妙な選択肢があったら2回目の放送でしっかり見極めたい。
また、聞き取った内容をまとめる空欄に単語を書く問題もある。seventeenthという序数を書く問題が出題された。
[2]長文(説明文)
(A)と(B)の二つの英文を読む問題。どちらも脳についての話。
(1)の並び替え問題は、関係代名詞whatや手段を表すwithなどを含む並び替えで難度が高い。
吹き出し:長文問題とはいえ、出てくる文法問題が難しいです。高得点を狙うには文法の勉強も必要です。
[3]長文(物語文)
いろいろなことが気になってしまい宿題が提出できない神経症のような生徒の話。最初は何の話かわからないが読んでいくうちに彼のパーソナリティが少しずつわかってくる。
英検にはないタイプの文章なので、市川だけではなくいろんな私立高校入試の物語文を読んで慣れておきたい。
語形変化の問題では、lie(横たわる)を過去形layにする問題が出た。
難関校の受験生なら勉強しているはずだが、間違えやすいのできちんと覚えておこう。自動詞と他動詞の違いに注意。
横たわる(自)lie – lay – lain – lying
横たえる(他)lay – laid – laid – laying
「嘘をつく」のlieと間違えないように。
嘘をつくlie – lied – lied – lying
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