海外生・帰国生の志望校の決め方【高校入試】

受験

海外赴任で移住が決まったのだけど、子どもの受験どうしよう。

海外在住生はどうやって志望校を決めたらいいか迷う生徒がけっこういます。

日本の中学校に通っていれば、学校や塾の先生たちだけではなく、クラスメイトや先輩と話す中でたくさんの情報が自然と入ってきます。憧れの先輩が行った高校だったり、仲の良い友だちが目指している高校だったり、いろいろ見聞きする内に子どもたちは自然と高校について考えるようになります。

ところが、海外生の場合は、クラスメイトの帰国する県は異なり、帰国する時期もそれぞれ違います。高校についての情報は自発的に調べるしかありません。

では、海外で暮らす子どもたちはどのように行きたい高校を探しているのでしょうか。

帰国生入試のある高校を選ぶ

海外生・帰国生のために、帰国生枠があったり入試科目が少なくなったりなどの高校があります。

一般的に公立高校の入試科目は5科目ですが、帰国生入試の場合は3科目で受験できるなどの優遇措置があります。私立高校も、5科目受験が必要なところでも帰国生入試は3科目で受験できる高校も多いです。

公立高校で帰国生入試を実施している学校は英語科や国際系のコースが多いです。

愛知県だと千種高校(国際教養科)や名東高校(国際英語科)などがを英語系の帰国生受け入れ校として有名です。愛知県の海外帰国生徒選抜は3科目での判定となります。

帰国生でも国際学科・英語科を希望していない生徒もいますよね。普通科の高校でも帰国生入試を実施している高校もあります。

東京都だと、都立国際高校だけではなく、竹早高校、三田高校、日野台高校などの普通科の高校で帰国生入試を実施していて、3科目で受験ができます。普通科とはいえ、帰国生を積極的に受け入れている高校では、国際教育・英語教育に力を入れているところが多いです。

栃木県の場合は、すべての公立高校で帰国生入試を実施しています。帰国生に優しい県ですね!

好きな科目を伸ばしたい

特に好きな科目があったり、やりたいことが明確にある生徒は進路を決めやすいです。

英語が好きで高校に入ってからも英語に力を入れたいという生徒なら、上記で伝えたように英語科・国際系のコースで帰国生入試が受験できる高校を選ぶことができます。

理数が特に好きな生徒は、理数科や自然科学科などの学科のある高校や、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)に指定されている高校を選びます。理数科の学校は、入試でも理科や数学の得点を1.5倍や2倍にするなどの傾斜配点を行なっている高校も多いので理数が得意な生徒に有利です。

SSHは大学と連携して研究室を訪問したり、高校で研究発表をしたりなど、理数好きな生徒にはとても魅力的なカリキュラムの高校が多いです。

また、最近はプログラミングに興味を持つ子どもたちが増えているので、情報系の学科や高専(国立高等専門学校)も人気があります。

少しでも進学率の高い高校を目指す

中学生なら特にやりたいことが決まっていないという子どもたちも多いです。

よく「夢をもて」とか「やりたいことを探せ」と言う人がいますが、無理矢理持たせるものではなく、これから学びを深めていく中で自分の興味や方向性が見つかっていくのだと思います。

進学塾で働いていときに、県内トップ校を目指すクラスの子どもたちに将来やりたいことを聞いたことがあります。生徒たちの答えは「ケーキ屋さん」や「歌手」など様々でした。子どもたちの憧れは、受験勉強と直接結びつかないことも多いものです。

多くの子どもたちは将来の選択肢を広げておくためにも、進学率の高い高校を目指して勉強しています。保護者の方も大学進学を見据えて子どもたちの高校受験を考えている人が多いです。

県内トップ校では帰国生入試を行なっていない高校もあるので、その場合は一般入試で日本の子どもたちと競い合うことになります。入試まで5科目をバランスよく勉強していく必要があります

自分は帰国生入試を受けるからと中学1年生、2年生のうちから理社や副教科を捨てるのは危険です。推薦条件で内申点が必要だったり、併願で受ける高校によっては5科目受験をする可能性がゼロではありません。そもそも勉強は受験のためだけにするものではないので、いろいろなことに好奇心を持って取り組んでほしいと思います。

学校見学に行く

多くの高校でオープンスクール学校説明会を実施しています。

夏休みなどの長期休暇で一時帰国するタイミングでオープンスクールや説明会に参加できるのがベストですが、高校によっては10月や11月に開催するところもあります。その場合は、中学校を少しお休みして一時帰国する人もいます。

最近はネットでの情報も充実していて、オンラインでの学校説明会も増えたので、学校見学をせずに志望校を決める生徒もいます。

とはいえ、ネットの情報だけではなく、実際に足を運んでみて先生や在校生と話したり体験授業に参加したりすると子どもたちのやる気はグッと高まります。気になる高校があれば一度行ってみるのをおすすめします。

実際に電車に乗って行ってみると、通学時間が長すぎたり、乗り換えが多かったり、通うのが大変な場合もあります。高校が通える範囲にあるかというのも重要ですよね。

学校見学に行ってみたら対応が雑で受験する気がなくなったという声も聞いたことがあります。これはレアなケースだと思いますが……。

保護者の方や先生たちから、高校を紹介されたりアドバイスされたりすることはあっても、その中で行きたい高校を決めるのは子どもたち自身です。最終的には「自分の意志で進学する高校を決めた」ということが重要です。「やらされ勉強」や「無気力」な子どもたちは受験でも失敗するケースが多いです。

また、「親に行かされた」という気持ちでいると、何か失敗したときに親のせいにしてしまいます。自分で決めたことであれば、誰のせいにもできず一人で困難を乗り越えていけます。学校でも職場でも実際に入ってみなければわからないことはたくさんあります。受験というのは子どもたちが最初に経験する選択と決断なのではないでしょうか。私もこの仕事をする中で、受験を通して成長する子どもたちをたくさん見てきました。

先生や同級生と話したり、先輩の話を聞いたり、積極的に情報収集をして行きたい高校を探してください。

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