原文で源氏物語を読んでいきます【古文】

国語

こんにちは、井上です。

ドラマの影響もあってか源氏物語が盛り上がっていますね。

私も「原文で読んでみよう」と題して源氏物語を読む動画を撮り始めました。(そのせいもあってブログの方がおそろかになっていました)

見やすいように各帖10分くらいの動画にまとめています。

あらすじに沿って、原文の引用や古語の説明などもしていきます。

もともと源氏物語は好きだったのですが、高校生に古文の勉強について聞かれた際に、「源氏物語を読もうぜ!」と言ったのをきっかけに動画にすることにしました。

何のために古文を勉強するのか生徒に聞かれることがあります。

古文を読む(学ぶ)と、感性や日本語力が豊かになるのは間違いないですよね。

ただ、私は勉強だと思って源氏物語を読んでいません。

とにかく読んでおもしろい。

おもしろいものを読んでいたら結果的に古文が得意になっていた。

受験生にとってもその方が良いですよね。

(だから、自分が楽しめるものなら源氏物語ではなくても、枕草子でも徒然草でも良いと思います)

動画は中高生だけではなく、源氏物語に興味のある多くの人に見てもらいたいと思います。

一緒に原文で読んでみようと思ってくれる人がいたら嬉しいです。

1〜2週間に1本(1帖)のペースで配信しています。

動画に収まり切らず、話し足りないところはX(旧Twitter)でポストしたりしゃべったりもしています。

洋書と同じで原文で読むと思わぬ発見があっておもしろいですよ。

いきなり原文はハードルが高いという人は現代語訳を読んでみましょう。

与謝野晶子や谷崎潤一郎など名だたる作家が翻訳しています。

現在作家なら角田光代さんの訳や、ウェイリーの英訳の戻し訳なども人気ですよ。

私が源氏物語にハマったのは円地文子訳がきっかけでした。

それまで源氏物語を読み通すことのできなかった私がおもしろさのあまり一気呵成に読んでしまいました。

円地文子訳は今でも宝物です。

原文にないことまで書いてあると批判されることもあるようですが、そのほとばしる情熱こそが円地訳のおもしろさだと思います。

少しだけ序盤の場面を引用します。

第2帖「帚木」で光源氏が空蝉に言い寄る場面です。

原文と比べてみてください。

鬼神も、荒だつまじきけはひなれば、はしたなく、「こゝに、人の」とも、えのゝしらず。

山岸徳平校注『源氏物語(一)』(岩波文庫)

まるでおびただしい匂いをこめた冷たい花びらの渦の中にでも埋もれたようで、女は半ば気を失いながらその快さに逆らおうとして喘いだ。鬼神でさえも荒くれ怒ることは出来まいと思われるようなご様子なのに、はしたなく、「ここに人が……」などと騒ぎ立てられたものではない。

円地文子訳『源氏物語(一)』(新潮文庫)

黄色の部分は本文にはありません。これをどう受け取るかは読者次第ですが、円地文子にしかできない訳文だと思います。

円地文子の源氏物語論『源氏物語私見』もおすすめです。

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