
海外生活が始まったけれど子どもの高校受験が不安。受験生になる前に本帰国した方が良いのかな。
海外からの高校受験を不安に思っている方はたくさんいます。今回は海外生がどのように受験期を過ごしているのかを紹介します。これから受験生になる子どもたちにも参考にしてもらいたいと思います。
前期
定期考査(定期テスト)
公立高校も私立高校も、中学三年生の内申点はほとんどの高校で重要です。中3になると、これまで以上に定期テストに向けて熱心に勉強する生徒が増えます。
私立高校の推薦入試だと内申〇〇点以上という出願条件があるところもあるので、受験を考えている高校があったら、高校のホームページで募集要項を事前に調べておきましょう。今年度のものがまだ更新されていない場合は昨年度のものでも構いません。
直前で焦らないように、普段の授業から定期テストを意識して勉強に取り組んでください。
模試を受ける
海外生の場合は、自分の現在の実力を測ろうにも受けられる模試が限られています。
日本人学校でも実力テストという形で、模試会社から購入したテストを実施しています。実力テストでも得点だけではなく偏差値や志望校判定も出ます。とはいえ、それぞれの県の入試問題傾向に合わせて作られた模試ではないので、合格判定は参考程度に考えてください。
東京書籍のWEBショップから各県の模試を自宅模試という形で購入することができるので、海外在住生にもおすすめです。
購入する模試によって形式が異なります。たとえば、「愛知全県模試」はメールでPDFデータをやり取りしますが、「東京都Wもぎ」は郵送で問題用紙が送られてきて実施後の答案も郵送する必要があります。
模試によってはEMSでの答案返送費用がかかるので、どういう形式の模試か気になる方は購入する前にメールで問い合わせてみてください。
模試は受けっぱなしにせず、丁寧に間違い直しをし、弱点の単元を勉強しましょう。「できなかったところをできるようにすること」で合格点に近づいていきます。

大事なことなので口をすっぱくして言いますが、普段の勉強も「できなかったところをできるようにする」という意識がとても重要です。なかなか成績が伸びない生徒は間違い直しができていないことが多いです。
夏休み
夏期講習
受験生の夏休みは多くの子どもたちが夏期講習に通います。夏期講習に行く中3生は、授業だけではなく自習室を使って開校から閉校まで塾にいる生徒たちが多いです。
受験では中3範囲だけではなく、1年生、2年生の範囲も出題されます。定期考査だけではなく、これまで習ったところはしっかりできるようにしておく必要があります。「夏を制するものは受験を制す」とよく言いますが、志望校に向けての学力をつける重要な期間になります。
夏休みは、一時帰国をして学校見学に行く生徒も多い時期です。
夏期講習を受講中の生徒は一時帰国中は受講を休んだりオンラインで受講を継続したりします。
オンラインだけの生徒を見てくれる塾もあれば、教室で対面授業をしながらオンラインの生徒も同時に対応する塾もあります。
教室にいる生徒を見ながら、同時にオンラインで受講している生徒も見るのは、教える側としてはかなり大変です。
教室の生徒に集中すればオンラインの生徒がおろそかになり、オンラインの生徒に集中すれば教室の生徒がおろそかになってしまいます。
オンライン対応があるからと安易に受講せず、どういうスタイルで授業をしているか、また、わからなかったところのアフターケアやサポートはどうなっているのかを確認してから受講を決めるのをおすすめします。
後期
年内入試
後期にも定期テストがありますが、早い生徒だと10月、11月から入試が始まります。
帰国生向けにバンコクで受験できる高校は入試日が早いです。2022年度の中3生の入試日程をいくつか挙げてみます。
- 土浦日本大学高校は2022年10月29日(バンコク受験可)
- 立命館慶祥高校は2022年11月12日(バンコク受験可)
- 早稲田渋谷シンガポール校の第1回入試は2022年12月3日(バンコク受験可)
タイ在住の生徒にとってバンコクで受験できるのはとても便利です。ただし、年内受験になるので早めに対策をしておく必要があります。
遅くとも夏休み明けの9月頃から高校入試問題(過去問)に取り組んでいくことになります。
入試問題をやってみて苦手な単元や弱点が発覚する場合もあるでの、早めに過去問に取り組んでみることをおすすめします。模試と同様に、「できなかったところをできるようにする」そして、復習して苦手な単元を克服することで、合格点に近付いていきます。
帰国して受験
バンコクやシンガポールで受験できる高校が第一志望の場合は、合格したらもちろんそこで受験が終了になります。
日本で受験をする場合は、志望校の入試の日程に合わせて帰国することになります。
私立高校の入試は公立高校よりも早く、第一志望が公立高校の場合は、抑えの私立高校を受験してから公立の高校を受験するまでしばらく期間があります。
たとえば、愛知県だと2023年1月20日~私立高校の一般入試があり、2月22日が公立高校の入試日となっています。
帰国してからは学校にも通わず、一人で勉強をすることになります。
1日中勉強ができるので時間をうまく使えば入試に向けて学力を伸ばすことができます。
とはいえ、これは大人でも同じですが、何も予定が入っていない日に効率的な時間の使い方をするのは難しいですよね。だらだらと過ごしていたらいつの間にか1日が終わっていた……、そんな経験は誰にでもあると思います。
受験生も同様で、メリハリをつけた生活をして受験勉強に取り組む必要があります。
①自習室を利用する。
1日中同じ部屋にいると集中力が続かないという人も多いです。そういう場合は、図書館や公民館など公共施設の自習できる場所を利用するのもおすすめです。
②定期的に運動をする。
これは帰国してからに限りませんが、毎日散歩するなど定期的に身体を動かすことで、頭が冴えてより勉強がはかどります。ずっと部屋にこもりっきりだと身体もだるくなりボーっとして勉強にも集中できません。
タイから真冬の日本に帰った場合とてつもない気温差があるので、風邪をひかないように体調管理には気をつけてください。
③友だちと話す。
一人だとどうしても煮詰まってしまいます。定期的に友だちとコミュニケーションをとることで気分転換をして、また新たな気持ちで勉強に向かうことができます。お互いの近況や勉強について話し合えば、モチベーションアップにもつながります。
ビデオ通話で友だちの顔を見ながら話す子どもたちもいますし、最近だとオンラインゲームを一緒にやる子どもたちも増えました。入試直前に1日中ゲームをしているのは問題外ですが、時には息抜きの時間があっても良いと思います。
④塾で勉強する。
帰国してから短期間でも受け入れてくれる個人塾や個別指導の塾もあるので、苦手科目の勉強を教えてもらいたい人は塾に通うにもありです。質問できたり自習室を利用できるのもメリットです。
また、最近ではオンライン対応の学習塾も増えてきたので、これまで通っていた塾でオンライン受講できるのならそのまま継続するのが良いと思います。
自分の性格や得意不得意をよく知っている先生なら、入試までに必要な勉強のアドバイスもしてくれますし、生徒側も安心して質問したり勉強に取り組むことができます。また、オンライン授業も生活にメリハリをつける良いアクセントになります。
合格
早稲田渋谷シンガポール校や立命館慶祥高校などの年内入試で合格した生徒はもちろんのこと、日本に帰って受験した教え子たちも各地区のトップ校に合格していきました。海外生活は不安もあると思いますが、しっかりと対策を取っていけば高校入試は大丈夫です。
日程が合えば、入試が終わってから卒業式のためにタイに戻ってくる子どもたちも多いです。海外で共に過ごした仲間との時間はかけがえのない思い出になると思います。
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