千葉県2024年高校入試の国語、数学、英語の問題についての記事です。どのような問題が出題されるのか解説とともに紹介します。対策の参考にしてください。
千葉県は今年度からマークシートが導入されましたが、すべてが選択問題なわけではなく、英作文や記述問題なども例年通り出題されました。

今年度は国数英の3科サポートをしていた生徒が県立船橋高校に合格しました! 県船は今年千葉で一番倍率が高く2倍を超えていたようですね。
国語
50分100点満点
マークシートが導入された今年度も、「漢字」「記述問題」「作文」などの書く問題もいつも通り出題されました。
[一]聞き取り
千葉県の国語はリスニングが出題される。2024年は、写真や、小説の宣伝文から、「伝わること」や「伝わらないこと」などについて話し合う問題。すべて選択。
[二]漢字の読み4問。
[三]漢字の書き4問。
去年から漢字の出題が1問減った。書き漢字は今年もすべて小学生範囲から出題。四字熟語も出題されるので覚えておきたい。
[四]論説文
出典は好井裕明著 『「今、ここ」から考える社会学』(ちくまプリマー新書)
ちくまプリマー新書は入試問題でもよく扱われます。
(3)同じ符号を何度使ってもよい、試験だと焦って読み飛ばしてしまう人がいるが、設問の条件は絶対に確認すること。
(4)本文で「出会い」をどう捉えているかを選ぶ問題。直接書かれていないので迷うかも。消去法を上手く使いたい。
(5)本文と設問に追加で引用された文章をもとに記述する問題。引用文から「批判する力」が「政治や社会に参加する主体をつくりあげるうえで必要な力」だとわかる。本文後半の結論部分か、ここでいう「自己」とは何かを参考にまとめる。
[五]小説文
出典は山本 一力『銀しゃり』(小学館文庫)
江戸が舞台の小説だが、寿司屋が主人公の人情小説で読みやすい。
問題も取り組みやすいものが多かった。
(6)は、小説文を読んだ二人の会話文の空欄を補充したり、記述したりする問題。会話文や本文を参照すればスムーズに書けるはず。
[六]古文
出典は『軽口露がはなし』
(6)古文について話し合っている資料をもとに読解する問題。頻出の返り点をつける問題も出題された。
記述は空欄の後に「〜なってしまった」とあるので、自分の百文を失ってしまったことを書く。
[七]作文
「知恵」と「知識」の言葉の意味を読んで、自分の考えを書く作文。
二段落構成や条件をしっかり守って書くこと。「考え」と「具体例」がはっきりとわかるように書くのがポイント。
数学
50分100点満点
[1]小問集合
各単元から満遍なく出題される。
(3)今年は「標本調査」に適したものを選ぶ問題が出た。
(7)作図。円錐の底面の中心を求める問題。おうぎ形の頂点とAを結ぶ直線の延長線上に底面の中心がある。①からおうぎ形の半径は底面の半径の4倍だとわかる。頂点とAの垂直二等分線を2回繰り返して、底面の半径の長さを求める。

[2]関数
(2)応用問題だが、わかる情報をひとつずつ書いていけば、式が立てられるはず。類題をやったことがある人は割とスムーズに解けたのでは。

[3]図形(証明)
(3)相似を利用して解く問題。△EBF∽△DCF∽△DBA 相似の問題は、対応している辺を勘違いしてミスをしやすいので注意。
[4]関数
会話文を読解しながら解く問題。一見めんどうに感じるが、実際はシンプルな関数の問題。
(2)図2に書き込んで考えてみるとイメージしやすいのでは。
(0, n)とH(6, 1)の直線の傾きは、変化の割合で$ \dfrac{yの増加量}{xの増加量}=\dfrac{1 – n}{6}$
(0, n)とF(4, -1)の直線の傾きは、変化の割合で$ \dfrac{yの増加量}{xの増加量}=\dfrac{-1 – n}{4}$
(3)2が解ければ、点Pと点Qの差を出せば解ける。ただし、点Pと点Qは負(マイナス)の数なので、差を出すときの計算に注意しよう。距離が100ということは、例えば、Pがー10でQがー110だった場合は、ー10ー(ー110)=100もしくは、符号を変えて110ー10=100にする。


図形や関数の応用問題も昨年度(2023年度)より簡単な印象ですが、数学は時間との戦いなので、やはり解ける問題でミスをしないことが重要です。
英語
60分100点満点(リスニング含む)
[1]〜[4]リスニング
昨年まであった文章中の空欄に単語を書く問題がなくなり、リスニングの配点も33点から6点減り27点になった。リスニングでも言い換え表現が出てくるので、英検の問題もリスニング練習におすすめ。
[5]文法問題
語形変化と並び替え問題
(1)受動態
(2)序数
(3)比較
(4)間接疑問文
(5)接触節
[6]英作文
イラストのセリフを10語程度で考える英作文問題。
(1)撮影禁止の美術館
(2)図書館で雨宿り
[7]長文と資料の読み取り
(1)ヒカリとエレンが、みなみ市について調査しスライドを使って発表する英文。
スライド1はみなみ市を訪れた人々の数の推移。みなみ市を訪れる人は、ショッピングモールに買い物に来る人と、自然を楽しみにくる人がいる。
スライド2は農業従事者の年齢のグラフ。スライド3は農業で働きたい若者が年々減っているグラフ。二人は農業に興味を持ってもらうためのプログラムについて考える。
(2)みどり町で開催されるイベントの「お知らせ」を読解する問題。
①イベントは土曜日と日曜日に開催されるので、DAY 1は土曜日のこと。
[8]長文と会話文
ファストファッションについてのスピーチと、それについて話し合った内容を読解する。
ファストファッションが引き起こす問題について。一つ目はゴミ問題。二つ目は服を作るのに大量の水を消費し、川や海を汚す問題。三つ目は、大気汚染。
若者の農業離れも環境問題もよくあるトピックなので読みやすかったのでは。
(2)はファストファッションの服を簡単に捨ててしまうのはなぜかを10〜15語で書く英作文問題。前後の会話をヒントに書く。
(5)内容一致問題は計算が必要。一人約440リットルということは五人分だと約2200リットル。
[9]対話文の空欄補充
中学生のケンと先生の会話。サッカーの試合でうまくプレイできずに落ち込んでいるケンに先生が”No rain, no rainbow”ということわざを教えて元気づける。

マークシートが導入されたとはいえ、全体的な構成は例年通りだったので焦らずテストに取り組めたのではないでしょうか。受験勉強もNo rain, no rainbowです。困難を乗り越えた先に虹(良いこと)がありますよ!
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